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1957年、Arne Jacobsen（アルネ・ヤコブセン）が手がけた「SASロイヤルホテル」。その際にデザインされたのが、こちらの“AJ Royal”ランプです。ヤコブセンは建築設計だけでなく、家具や照明、ユーティリティアイテムに至るまで、ホテル空間のすべてをデザインしたことで知られています。エッグチェア、スワンチェア、ドロップチェアといった彼を代表するアイコニックな名作たちも、このホテルをきっかけに誕生しました。モダンデザイン史においても、まさに特別な存在といえるホテルです。

そんなホテルのバーやラウンジに吊り下げられていたのが、この“AJ Royal”。現行品ではアクリル板の採用など仕様変更がありますが、こちらは初期の4灯タイプ。シェード内部、ルーバー上部に3灯が配置され、しっかりと光量を確保しながらも眩しすぎないよう工夫されています。また、スリットからは柔らかな光が漏れ、何とも言えない美しい陰影を生み出します。スパッと潔く切り取られたような半球型のフォルムも、このランプを象徴するデザインです。

わずかな歪みや小傷は見られますが、概ねコンディションは良好。時間の経過が生んだ風合いもまた、このランプの魅力としてお楽しみいただければと思います。