COLLECTION

FRISO KRAMER / REVOLT ARMCHAIR

“Revolt Chair”(リボルトチェア)は、Friso Kramer(フリソ・クラマー)が1953年に手がけた代表作のひとつです。戦後、先の大戦から多くの技術が民間にも応用されるようになり、1950年代はそうした革新がデザインに結びついていった時代。このチェアは、まさにその象徴ともいえる存在です。

直感的に「愛らしいフォルム」。それに尽きるかもしれませんが、構造にこそクラマーの革新性が表れています。当時、椅子のフレームにはスチールパイプを曲げて成形するのが一般的でした。しかしクラマーは、鋼板(スチールシート)の両端を折り曲げて成形するという独自の工法を採用。これによって、強度を保ちつつ軽量化とコスト削減を実現し、さらにその手法はデザインの自由度を高める画期的なものでした。

リボルトチェアの脚や背もたれを支えるフレームが先端に向かって細くなっているのも、その技術があったからこそ可能になった造形です。見た目に美しく、構造的にも意味を持つこのディテールは、従来の製法では成し得なかったものでした。

シート素材にも注目すべき点があります。初期モデルに使われた“Ciranol”は、厚さわずか4mmという薄さながら、軽さ、強度、しなやかさ、耐摩耗性を兼ね備えた優れた素材。実際に座ってみると、その柔軟性と快適さに驚かされます。人間工学に基づいて設計されたその座り心地からも、クラマーが単なる造形美だけでなく、実用性においても一切妥協していなかったことが伝わってきます。

なお、リボルトチェアは製造時期によって素材や仕様が少しずつ異なります。本作は、初期に生産された“Ciranol”製シートを持つ希少な一脚。近年、本国オランダでの評価も高く、流通数も減少しており、コレクタブルなアイテムとなっています。シートはオリジナルカラーで、初期モデル特有の色合いが本当に素晴らしいと思います。大きなダメージもなく、コンディションも良好です。

DATA_

Country: The Netherlands
Period: 1950s
Designer: Friso Kramer
Manufacturer: Ahrend de Cirkel
Size: W61.5 D49 H80.5  cm

148,500yen  (tax inc.) 
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