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1953年、Friso Kramer（フリソ・クラマー）がオランダ・アムステルダムのデパート「De Bijenkorf（デ・バイエンコルフ）」のためにデザインした、モジュール式のシェルフです。もともと「De Bijenkorf」と関わりが深かったMartin Visser（マルティン・フィッサー）が、シンプルで使いやすいユニット棚のデザインをクラマーに依頼したことから生まれたプロダクトとして知られています。「De Bijenkorf」は今も現存しており、セントラル駅からも近いので、オランダを訪れたことがある方ならご存じかもしれません。

淡いイエロー、濃紺、ベージュからなる美しい色彩の組み合わせは、クラマーが「De Bijenkorf」の空間にリンクさせて設計したもので、当時の建築や抽象的なグラフィックデザインを思わせる配色です。すっきりとしたライン、バランスの取れたプロポーション、装飾を排した機能美―1950年代のオランダを象徴するモダニズムを感じさせます。

奥行きはわずか25.5cmと省スペース仕様で、背面がオープンなため圧迫感も少なく、パーテーションとしても活躍します。少し組み立てに手間はかかりますが、側面・背面・棚板は自由にレイアウト可能。側面パネルの色を交互に入れ替えるなど、自分だけの構成を楽しめる点も魅力です。本棚やディスプレイシェルフとしてはもちろん、数あるクラマー作品の中でも評価の高い、コレクタブルな一品です。最上部に錆が見られますが、その他全体を通しては良好なコンディションを保っています。